警察官を辞めたいという人も大勢います。
しかしいざ辞めるとなると、その後どうすればいいのか不安になりますよね。
そこでこの記事では、本当に警察官を辞めてしまっていいのか、どうやったらやめられるのか、そういった点について解説していきます。
転職先としてお勧めの職種なども紹介いたしますので、ぜひ最後までご覧ください。
警察官を辞めたい理由
警察官を辞めたいという人たちは、具体的にどんな部分に不満を持っているのでしょうか。
ここでは警察官を辞めたい理由として代表的なものを紹介します。
給料の低さ
警察官を辞めたい理由として給料の低さも挙げられます。
実際上の年収としては、民間企業と比較して低いということはないのですが、与えられる仕事の辛さと比較すると、低く感じる人が多いようです。
警察官の中では下の階級である巡査・巡査部長という階級の人たちでも、平均年収が400万円程度になっています。
これは日本人全体の平均年収と大差ありません。
しかし、仕事に見合っていないと思う人もたくさんいます。
労働時間の長さ
通常予定されている勤務時間の合計としては、それほど長時間の労働時間にはならないことになっています。
しかし何か事件や予定外のことが発生すると、対応に追われて通常の勤務時間では終わらせることができなくなり、勤務時間が伸びることがあります。
不規則に労働時間が長くなることも、警察官を辞めたいという人が多くなる理由の一つです。
キャリアが別れる
警察官はキャリアとノンキャリアに別れます。
国家公務員総合職試験に合格した人たちがキャリアです。
キャリアとノンキャリアでは昇進のスピードが圧倒的に違い、ノンキャリアがキャリアより偉くなることはほとんどありません。
そういった理不尽さも、辞めたいと思う理由になります。
集団行動が苦手
警察官というのは集団行動をしなければなりません。
大規模な捜査に駆り出される時も、事件現場を守ったり監視したりする際にも、上官の指示に従って行動することになります。
このような集団行動が苦手な人だと、警察官を辞めたいと思ってしまうようです。
外出制限
警察官には休日の行動にも制限があります。
所轄地域外に出掛け、宿泊しようとする場合には申請が必要になります。
休みの日にまで仕事に縛られ自由な行動ができないというのも、辞めたいと思う理由です。
警察官から転職する際のポイント
警察官を辞めたいという気持ちが強くなり、実際に辞めることにしたとします。
そうなると、当然次の仕事が必要になります。
どうやって次の仕事を探せばいいのか、仕事を辞める前に考えておくべきポイントについて解説します。
転職理由を明確にする
どうして警察官を辞めたいのか、自分の中で気持ちの整理をつけておきましょう。
「仕事が大変なのはわかるけど、仕事としては安定している」と考えられています。
家族や知り合いにも、そういった指摘を受けることがあるでしょう。
その時、自分の中で明確な辞めるべき理由がはっきりしていないと迷ってしまうでしょうし、実際に辞めた後に後悔することになるかもしれません。
転職サイト/転職エージェントに登録する
警察官を辞めたい人は、転職サイトや転職エージェントに登録してみるのもいい方法です。
どの人にはどういった仕事が向いているのかの診断や、履歴書の作成方法、面接の受け方の指導など、様々な点で新しい仕事を探す手伝いをしてくれるサービスがあります。
警察以外の仕事のことをよく知らない、という方には特にこういったサポートが必要になりそうです。
警察官の強みを活かす
警察官を辞めたいとしても、警察官として身に着けてきたスキルがあるでしょう。
そういった強みは生かしたほうが得です。
命令に服する忍耐力とか、警察官としての正義感、地域住民との交流の経験を生かしたコミュニケーション能力などがあるはずです。
そのなかで、次の職場でも発揮できそうなものをアピールしていきましょう。
退職前に事前に伝えておく
警察官を辞めたいのであれば、退職する二か月前には上司に申し出ておきましょう。
組織の上層部に辞職願が届くまでに一か月かかり、さらにもう一か月かけて交代の人員配置が完了するといわれています。
大きな組織である分、手続きに時間がかかるようです。
警察官の転職先
警察官を辞めて新しい仕事を探すとして、いったいどういった職種であれば向いているのでしょうか。
ここでは、警察官を辞めたい人向けの、お勧めの転職先を紹介いたします。
警備員
警察官を辞めたい人に一番向いているとされているのが警備員の仕事です。
施設警備であれ、交通整理の警備員であれ、業務内容としては警察と共通する点があります。
それでいながら民間企業ですので、警察特有のストレスを感じずにすみます。
警察官のスキルと知識を流用できるという点で、転職しやすい仕事となっています。
営業職
営業職には商品の知識なども必要とされますが、まず第一に相手のニーズを聞き出す必要があります。
地域住民への聞き取りや、不審者への職務質問など、相手の事情を聞き出すという経験があるかもしれません。
警察官を辞めたい人は、そういった経験を活かせる営業職も選択肢に入れてみるのがよいでしょう。
事務職
事務職も比較的警察官の経験を活かせるものとなっています。
警察の仕事は基本的に与えられた仕事をきっちりこなすことを求められますが、事務の仕事もそこは同様です。
拾得物の届けであれ、被害届であれ、警察官として書類上の手続きをすることもあるでしょう。
そういった事務手続きの経験もあるはずですので、警察官を辞めたい人には事務の仕事もおすすめします。
警察官に向いていない人
警察官を辞めたい人は、一度自分の性格を振り返ってみたほうがよいでしょう。
警察官というのは特殊な職業であるため、向いている人と向いていない人がいます。
向いていないならば早めにやめたほうがいいでしょうし、向いていないというわけでもなさそうならもうちょっとがんばってみる選択肢もあります。
そこでここでは、どういう人が警察官に向いていないのかを解説します。
メンタルが弱い人
メンタルが弱い人は警察官を辞めたいと思うことが多いでしょう。
警察というのは上からの命令に従わないといけません。
その理不尽さに耐えられない人もいるでしょうし、事件現場を目の当たりにするのがつらい人もいるでしょう。
普通に生きていれば、人間の死体を目にする事は少ないはずですが、警察官だと機会も多い。
ましてそれが事故や事件などの死体となれば、メンタルへの影響も強くなります。
プライベートの時間を確保したい人
プライベートの時間を大切にしたい人も、警察官を辞めたいと思うでしょう。
急な呼び出しを受けることがありますし、それも深夜や早朝かもしれません。
事件は時間を選んでくれませんので。
警察内部での不祥事には警察も神経をとがらせていますから、金銭や飲酒、恋愛のトラブルを防ぐために、どういった生活をしているのかを詮索されることもあります。
そのようにして自由を侵害されるのが嫌いな人にも、警察官は向いていないと言えます。
警察官を辞めるメリット
警察官を辞めたい人は、ひとまず辞めることと続けることのどちらがいいかを考えてみましょう。
そのためにはやめることのメリットとデメリットを比較してみることが必要です。
ではまずは辞めるメリットから考えてみましょう。
プライベートの時間が増える
警察官を辞めることのメリットとしては、プライベートの時間が増えることが挙げられます。
これまで警察官はプライベートの時間が確保しにくいという話をしてきました。
逆に言えば、警察官を辞めればプライベートの時間が増えるということです。
警察以外でも残業などはありますが、事件ほど突然起きるわけではありません。
警察官を辞めたい人は、このあたりに魅力を感じるようです。
責任感から解放される
警察官というのは市民を監視するのが仕事です。
しかし、逆に市民から監視される立場でもあります。
市民の不正を取り締まる立場の人間が不正を犯していたら、示しがつきませんからね。
そのため、一般的な職業の人たちよりも日頃の行動に責任感を求められることも多いです。
窮屈感から解放されることも、警察官を辞めたいと思う理由になっています。
警察官を辞めるデメリット
それでは次に、警察官を辞めるデメリットについても考えてみましょう。
本当にやめてしまっていいのかどうか、一度辞めたいと思う気持ちを抑えて冷静に考えましょう。
警察官も悪い部分だけではないですし、辞めた後のことも考えなければなりません。
給料が減る可能性
警察官は公務員ですので、給料は安定しています。
この性質は、日本経済が混乱しているときほど魅力的なはずです。
コロナ禍では民間事業者が大きなダメージを受け、収入が減ったり倒産したりしました。
しかし、公務員の収入は守られています。
戦争の影響による輸入価格の上昇も、電気代のコスト上昇などを引き起こしています。
それで警察が倒産するということはないでしょう。
こういった安定性についても考えてみたうえで、本当に辞めたいのかどうか考えてみるべきです。
実務経験がないことの弊害
警察官の仕事は、数ある職業の中でもかなり特殊なものになります。
そのため、部分的に警察官として身に着けたスキルを流用できる場面はあっても、全く同じことをする仕事というのがありません。
そのため、新しい仕事になじむのにも時間がかかりますし、企業のほうでも未経験の人間を雇うことに躊躇しがちです。
このあたりの事情も、辞めたいという気持ちの強さと比較検討してみるべきでしょう。
警察官を辞めたいまとめ
ここまで、警察官を辞めたいと思う方に向けて、どういう人が辞めるべきか、辞めるとしたらその後どうするべきかについて解説してきました。
この記事のポイントをおさらいすると、以下の通りです。
- 警察官を辞めたくなる理由
- 警察官に向いている人と向いていない人
- 警察官を辞めた後はどうすればいいのか
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。