20代や30代での転職ならまだ時間もあり、今後のキャリアにとってプラスになる方は少なくありません。
一方で、40代も50歳に近い47歳という年齢での転職は、厳しい現実が待っていると不安に感じて二の足を踏んでいる方も多いと思います。
今回はそんな47歳の皆様に転職についてご紹介します。
47歳でも転職はできる
47歳は、社会の中で決して若い年齢ではありません。
キャリアも後半に入り、人によっては退職後の第二の人生をどうするかを描き始める人もいることでしょう。
しかし、転職のチャンスはあり、諦めるのは早いです。
47歳で未経験からの転職事例あり
40代で未経験の仕事に転職した人を対象にした、「40代の転職に関する意識調査」です。
その結果は19.9%が「やりたい仕事・新しい仕事への挑戦」というものでした。
47歳で未経験からの天職は決して無理なことではないのです。
47歳で実務経験があれば転職できる
47歳で未経験の業界に転職した人は多く、経験者採用であれば47歳でも厳しくありません。
47歳の転職の現実
とはいえ、20代、30代での転職に比べて、47歳での転職の現実は厳しいのも事実です。
どんな点で厳しいのか見ていきます。
年齢の壁
介護業界やIT業界といった人手不足の業界は、年齢に関係なく求職者を受け入れる傾向にあります。
しかし、一方で、特にハローワークのような公共の支援サービスについては、40代以上の場合は年齢が壁になり、応募要件にマッチしない求人が多く、年齢の壁があります。
求人数が少ない
多くの企業は、20代や30代の若手の中途採用者を募集しており、47歳という年齢を含む40代後半を募集している企業は少ないのが現実です。
書類審査での足切りを40歳以上と設定している企業もあります。
スキルや実績が必要
47歳での転職には、即戦力となりうるスキルや実績が必要になります。
47歳は通常課長から副部長クラスのため、企業が求めるレベルが高くなるのです。
役職についていないと、転職が厳しくなるのが現実です。
扱いづらいイメージ
47歳になると他の会社での経験が長いため、前職の風土や業務の方法を変える、言い換えると、郷に行ったら郷に従う、という柔軟性が欠け、扱いづらいというイメージがあります。
年齢に関係なく、そのイメージを打ち破る柔軟な発想が必要になります。
マネジメントスキルが求められる
47歳での転職には、即戦力となりうるスキルや実績が必要になります。
つまり、企業が47歳に求めるスキルは、スペシャリスト人材やマネジメントスキルなのです。
給料が上がるとは限らない
47歳で転職した場合、現在よりも年収が下がる傾向にあるのが現実です。
中には、未経験の業界や職種などに転職し、新卒と同程度の給与になる人もいるくらいです。
前職と同等かそれ以上の給与を転職の条件とする場合、厳しくなるのが現実です。
47歳で転職するべき人
47歳での転職には、いろいろと厳しい現実が待っていますが、以下に該当する方は、47歳での転職をすべき人としてお勧めします。
- 管理職にありながらパワハラなどでストレスを抱えている
- 向上心が強く今よりもスキルアップを目指したい
- 現職で成果に見合った給料をもらえておらず給料を上げたい
仕事でストレスを抱えている
47歳だと部下の管理や教育を任される管理職の方も多いでしょう。
一見順風満帆に見えますが、実際には会社の役員や常務と部下との間で板挟みになることが多いのが現実です。
その結果、鬱になってしまい、家庭崩壊を招くこともあります。
家庭を守るため、そして自分自身の健康を守るために、転職をおすすめします。
スキルアップを目指したい
スキルアップ、キャリアアップを目指すなら、47歳という年齢はラストチャンスになる可能性があるのが現実です。
もし47歳の年齢でのスキルアップを目指すなら、最後のチャンスと思って本気で挑戦しましょう。
この年齢では、前に述べた通り、高いスキルと経験が求められることをお忘れなく。
給料を上げたい
長く現職に勤めており、成果を出しているにも関わらずそれに見合った給料をもらっていない方は、同じ業界で転職することをおすすめします。
特に家庭のある方はリスクに感じるかもしれません。
しかし、中長期的には転職した方が経済的に安定する可能性があります。
47歳で転職におすすめの業種
前にご紹介した通り、47歳での転職は、20代や30代での転職よりも狭き門であるのが現実です。
しかしあきらめるのは早いです。
47歳での転職におすすめの職種があります。
営業職
未経験の職種として最も歓迎される職種と言えます。
これまで長年培ったコミュニケーション力を発揮できます。
特に年収の高い不動産業界や金融業界において常に営業のニーズがあります。
ITエンジニア
ITエンジニアときくと一見敷居が高いと思うかもしれません。
しかし、IT業界は人材不足が長く続いており、また、優良企業になるとまず育成プログラムで最低限の知識をつけてから就業させてくれるところもあることから、特に未経験の職種として狙い目です。
もちろんITスキルを持っているに越したことはありません。
警備員
警備員の平均年齢は他業種に比べて高く、50代、60代の社員が中心になります。
そのため、47歳という年齢が若手の扱いになります。
未経験者も歓迎されますし、警備員指導教育責任者などの資格を保持していることで、給料アップが約束されることもあります。
介護職
人材不足の業界、かつ、特別な資格も必要としないため、未経験で転職しやすい職種です。
少子高齢化が急速に進行している日本において、ニーズが高いと言えます。
特に女性におすすめの職種です。
接客業
特に女性におすすめなのがアパレルショップの販売スタッフなどの接客業です。
人と接することが苦にならない方やコミュニケーションが得意な方におすすめの職種です。
雇用形態も正社員からアルバイトまで様々な形態があるため、自分に合った働き方が期待でいます。
47歳で転職を成功させるポイント
47歳での転職を成功されるポイントを紹介していきますが、大切なのは前向きな気持ち、かつ冷静な気持ちで臨むことです。
自己分析をする
まず転職の第一歩は、自分自身を知ることです。
47歳という年齢まで長年をかけて培ってきたスキルや強みを見つけましょう。
その経験や強みが、面接などにおけるアピールポイントになります。
面接の対策をする
面接において大切なのは、何よりも清潔感のある身だしなみと年齢に応じた落ち着いた印象を採用担当者に与えることです。
決して汚れたスーツや疲れた表情で面接に向かわないようにしましょう。
こだわりすぎない
47歳での転職は20代、30代よりも求人数が少ないのが現実です。
そのため、業種業界にこだわりすぎると転職時期が遅くなっていき、転職が不利になっていきます。
ある程度のこだわりは必要ですが、こだわりすぎることなく柔軟に対応しましょう。
転職サービスを利用する
転職に成功した人の70%以上が、複数の転職サービスや転職エージェントを利用しています。
47歳で応募できる求人情報は少ないのが現実です。
複数の転職サービスに登録することで求人情報が届くようになります。
スキルを身につけてから転職する
現在スキルを保持していない業界への転職の場合、必要なスキルを身につけてから転職しましょう。
スクールやセミナーを受講して新たなスキルを身につけることで、採用される確率が高くなります。
ハローワークやフリーペーパーの利用
ハローワークやフリーペーパーの公共の支援サービスを利用することも可能です。
しかし、ハローワークやフリーペーパーは40代での転職サポートに特化しているわけではないため、空求人やブラック企業には十分気をつけるようにしましょう。
知人に紹介してもらう
47歳にとって大事なことのひとつに、人脈があります。
その人脈を活用して、仕事を知人に紹介してもらうのも一つの手です。
知人との信頼関係に基づく紹介であれば、失敗が少なく、手堅い転職が可能です。
覚悟を決める
47歳での転職には、いろいろな厳しい現実も付きまといます。
覚悟を持って転職しないと、転職後のパフォーマンスやメンタル状態に悪い影響を与える可能性があります。
しっかりと事前準備をし、覚悟も決めて、転職活動に臨みましょう。
家族と相談する
転職が誰のためかということに対しては、やはり自分のためであることが多いです。
しかし、だからといって家族に転職活動を伝えず、独断で実施すると思わぬ落とし穴が待っています。
結果だけをいきなり伝えると、なぜ今まで黙っていたのかと説得できないことが多々あり、結果として家族に反対されたので内定を辞退したい、なんてことになりかねません。
転職活動をするときは、逐一状況を家族と共有、相談しましょう。
47歳で転職時に考えること
47歳での転職は、人生におけるラストチャンスという気持ちで臨まなければならない現実です。
そのために、転職活動にするときによく検討しておかなければならないことがいくつかあります。
在職中に転職先を決める
転職先が決まっていない状態で現職を退職してしまうと、転職活動が長引いた場合に収入がなく焦り、活動自体がうまくいかないとリスクがあります。
転職先は在職中に決めるようにしましょう。
47歳で転職するメリット
転職先で実務経験を重ねることで、前職よりも給料が増えたり役職に就けるメリットがあります。
前職での人間関係のトラブルも解消されるメリットもあります。
47歳で転職するデメリット
47歳での転職がラストチャンスの可能性が高いことは述べた通りです。
そのため、転職においてもう後がなく失敗できないというプレッシャーが最後まで付きまといます。
また、転職によりこれまで積み上げてきた社内評価や人間関係が全てゼロからのスタートとなります。
資格やスキルを活かせないか
47歳での転職には、即戦力となる資格やスキルが必要になります。
転職したい企業の求める資格やスキルがあるなら。47歳での転職は十分に可能です。
なぜ転職するのか
47歳という年齢であえて転職する理由は何でしょうか。
それは管理職でありながら上司と部下の間で板挟みになっており大きなストレスになっている、成果に見合った報酬がもらえていない、さらなるキャリアアップをしたいというのが主な理由になります。
明確な理由がなく何となくでの転職はうまくいかないと可能性が高いため、なぜ転職するのか自分の動機をしっかりと持ちましょう。
生活の安定性
47歳での転職において、現職よりも高い給料はなかなか望めないのが現実です。
しかし、ストレスを感じながら仕事を続けて精神的に疲弊し、家族に八つ当たりをする方も多いです。
それが転職して結果的に理想のライフスタイルを送れる可能性が高くなります。
転職以外の選択肢
転職活動をする中で、正社員雇用がなかなかされず求職状態が長引いてしまう可能性があります。
その場合、アルバイトや派遣社員などで腰かけになる仕事をして収入を維持しましょう。
また、非正規雇用であっても、違う業界で経験を積むことで、雇用先から能力を認められたりする可能性もあります。
47歳の転職時の強み
47歳での転職は20代、30代と比べて難しいという現実がある一方で、実際に47歳での転職を実現している人も多くいます。
それでは、47歳における転職時の強みは何でしょうか。
実務経験の豊富さ
一つ目は、47歳ならではの実務経験の豊富さです。
やはり、実務経験に裏打ちされたキャリアやスキルは、20代や30代よりも価値が高いと言えます。
社外の専門的なスキルを提供できる
二つ目は社外の専門的なスキルです。
社外の顧客やパートナーとの信頼構築力や、人材の指導・育成などにおいて高い影響力を発揮してきた経験が強みになります。
47歳で転職に失敗する原因
47歳での転職は可能ですが、20代、30代と同じくやり方では失敗します。
そんな失敗する原因を見ていきます。
給料にこだわりすぎる
年収を重視しすぎるのは、転職で失敗する要因です。
年収増加を志望動機に面接してしまうと「給与次第ですぐに転職する」と思われてしまう可能性があるため、他の軸も準備しましょう。
面接の対策が不十分
面接の準備、対策が不十分だと失敗します。
47歳の転職者はポテンシャルよりも今現在の知識や経験を求められます。
さらに、知識や経験だけでなく最新のニュースやトレンドを把握しておくことも重要です。
若手と差別化できていない
47歳で転職に失敗する多くの理由が自己アピールが若手と同じケースです。
やる気や熱意は重要ですが、残念ながら若手ほど重要視されません。
冷静に物事を分析できる思考力や若手を教育して伸ばしたり既存の事業拡大したりできるマネジメント能力をアピールしましょう。
47歳の転職で年収は上がる？
これまでも述べてきたように、47歳での転職における年収アップは難しいのが現実です。
40代で未経験の業界や職種などに転職する場合は、新卒と同等程度の給与になることも覚悟しないといけません。
前職の年収と同水準やそれ以上の給与を条件にしている場合は、理想を叶える求人を見つけるのに苦労します。
47歳の転職の現実まとめ
これまで47歳での転職の現実について紹介しました。
20代や30代のときのようなやる気や情熱ではなく、資格、スキル、マネジメント力などの即戦力がより求められます。
しかし諦める必要はありません。
粘り強く活動を続け、ぜひ新しい道を切り開きましょう。