残業ありきはおかしい?対処法を解説

みなさんは現在、働いている職場で残業することが、当たり前になっていませんか?
残業ありきで働くことが苦痛だったり、変だなと思っている方もいらっしゃると思います。

残業ありきが、おかしいという理由やそこから脱出する方法を解説いたします。
ぜひ最後まで御覧ください。

残業ありきはおかしい

まず残業ありきが、なぜおかしいのかについて理由を上げていきたいと思います。

身体的・精神的に疲れる

残業ありきの体制で毎日働いていると、体も心も疲れてしまいます。
業種によっては繁忙期に残業があるというのはありえます。

でも時期には関係なく、残業ありきということになるとどうなるでしょう。
身体的にも精神的にも常に疲労状態になってしまいます。

これでは思考が正常に廻らず、仕事でのミスが増えるということになりかねません。
そしてさらに残業が増えるという、悪循環になってしまうおそれがあります。

自分の時間が奪われる

休日はもちろんですが、仕事が終わったあともプライベートは大切な時間です。

  • 家族、パートナー、友人と一緒に過ごす。
  • 自分の趣味を楽しむ。
  • 将来の目標のためのスキルアップ。

これらのお金には換えられない、貴重な時間が残業ありきで削られてしまいます。

残業ありきの人員数

会社としては人件費削減のために、最低限の人数しか採用していない場合が考えられます。
従業員一人を増員するには一人分の給与だけでなく、さまざまな経費がかかります。

それを惜しんで、在籍している社員の残業ありきで補っている可能性が考えられます。

残業ありきの仕事量

もともとの仕事量が従業員の人数に対して多すぎることが考えられます。
もしくは経営方針が顧客至上主義になってしまっているかもしれません。

無理な顧客の要求も受け入れてしまう体質が、残業ありきになっているのです。

生産性が下がる

身体や精神の疲れのために仕事を効率的にできなくなってしまいます。
皆が疲れているとチームワークも悪くなり、さらに効率が下がってしまうことに。

そして残業ありきになる原因のひとつになってしまいます。

残業ありきじゃない会社もある

業種や会社の規模により、残業時間の平均には差があります。
残業時間の平均は20時間/月程度です。これでも毎日1時間くらいの残業です。

これを超えてしまうと明らかにおかしいなと考えてもいいのではないでしょうか。
経営者側の残業を減らして、効率化を図るという意識の有無にも左右されるでしょう。

つまり残業ありきじゃない会社も存在するということです。

会社側にも無駄なコストがかかる

残業代は給与を時給換算して、さらに割増賃金で計算されます。

したがって人件費が余計にかかってしまうというデメリットが。
会社にとって、残業ありきはコスト増につながります。

残業ありきになる原因

残業ありきの原因について考えてみましょう。

会社が残業を減らすことを考えない

まず、会社が残業ありきを問題視せず状況を改善しようとしないことです。

基本的な給与が残業込みの契約になっている場合も。
これだと真剣に残業を減らすことを考えないかもしれません。

効率の悪い業務

朝礼、終礼、会議に無駄に時間をかけている職場もあるようです。

この場合、残業ありきどころか就業時間に含まれずサービス残業になっていることも。
作業に不合理な点があっても、慣習化されてしまって改善されないという事も起こります。

企業の古い体質

昭和的思考をひきずっている企業もまだまだあるようです。
会社のために自分を犠牲にして働くというのは時代合ってません。

定年まで同じ会社で働き続けるという終身雇用制に基づいた考え方です。
しかし、今はこのような考え方をしない人が多いのではないでしょうか。

また顧客至上主義から顧客の無理な要求に従ってしまう経営者もいます。
この場合、無理な納期が従業員の残業や休日出勤になってしまうことも。

これが原因で残業ありきになってしまうのかもしれません。
製造業などでは「あるある」ではないでしょうか?

残業ありきの雰囲気

自分の担当分が終わったのに、自分だけ先に帰りにくいという雰囲気があったりします。
上司より先に帰れないとか、みんなで一緒になんとなく習慣的に残業してしまう状況です。

残業代に依存した給料

基本的な給与が希望する額に達しない場合、残業ありきで補おうと考えてしまいます。
そのような理由で、すすんで残業してしまうということが。

もしくは労働契約が残業代を一定時間見込んだ給与になっている場合です。
その分は働かないといけないというのもおかしいです。

なぜなら仕事が終わっていれば、定時で上がるのは当然だからです。

おかしい残業ありきの対処法

残業ありきについての対処法を考えてみましょう。

相談する

自分一人で、残業ありきがおかしいと思っているだけでは状況は改善しません。

上司

身体的、精神的にきつかったら上司に相談してみましょう。
これができるかどうかは、上司の人柄にもよるかと思います。

残業ありきの状態を改善する案があれば、積極的に提案するというのもいいでしょう。

親友や家族

家族や友人に、残業ありきのおかしさの実態を伝えてみてはどうでしょう。
正常な状態なのか客観的な意見を聞いてみると、解決策が見えてくるかもしれません。

人事

会社の人事に相談するというのもひとつの手段です。
あきらかな残業ありきの人手不足状態であれば、増員の提案をしてみましょう。

ただ人事については経営者に最終的には決定権があります。
この場合は、人事から経営者に掛け合ってもらうということになるでしょう。

仕事の仕方を考える

仕事のやり方をみんなで話し合って、改善点を見つけて行きましょう。
みんなで協力し合うことにより、全体の仕事を早く終わらせるようにしましょう。

これで残業ありきの雰囲気が、変わる可能性があります。

仕事の線引きをする

仕事のスケジュールと達成目標を日々、明確にしておきます。
毎日の仕事目標を達成したら、定時で上がり残業ありきをやめましょう。

業務を効率的にこなす

効率を考えて仕事の仕方を工夫します。

ルーティン的な仕事はなるべくテンプレ化するのがいいでしょう。
時間帯ごとにやることを決めておくといいかもしれません。

たとえば、午前中に頭をつかって集中する仕事を割り当てるのはどうでしょう。
午後は単純作業をするとか、自分の業務に合った時間割を考えてみてはいかがですか。

環境を変える

ある程度規模が大きな企業だと、残業が少ない部署への異動の希望を出すといった方法も。

しかし、中小企業の場合これは不可能な場合が多いと思います。
そのときは、残業ありきのおかしい会社を退職するという選択肢も考えましょう。

転職を検討する

残業ありきの改善案を提案しても効果がなかったり、提案しにくい場合もあります。
そんなときは転職を検討してみるのはどうでしょうか。

自分の経験のある業種だと、どうしても残業ありきの会社が多いという場合もありえます。
その場合は残業の少ない業種を探して、異業種転職を目指すという方向性も考えられます。

自分にあった働き方のできる会社というポイントで探すというのもひとつの考え方です。
たとえば、フレックス制を採用していたり、在宅勤務ができるとかです。

副業を始める

基本的に定時で仕事を切り上げるとすると、基本給のみで収入が足りないことも。
この場合は副業をみつけて、無理のない範囲で収入アップをはかる方法もあります。

もしくは副業をスキルアップしていって、本業との比率の逆転をめざすのもありです。

残業代を請求する

残業しても残業代が支給されない場合もあります。

クリエイター系業務、中間管理職や契約が一定時間の残業代込になっているときです。
しかし、これに納得が行かない場合は実質働いた時間の残業代を請求することも。

労働基準監督署、弁護士、司法書士、社会保険労務士に相談するという方法があります。
ハードルが上がりますが、民事訴訟を起こして請求するという場合もあるでしょう。

定時に変える

あらかじめ、この人は定時に帰る人というキャラづくりをしておくのもひとつの方法です。
自分の担当した仕事は残業せずに終わらせるということが前提ですが。

余裕がある時は、他の人の仕事も手伝うようにするといいでしょう。
これなら、陰で文句を言われたりしないし、職場の人間関係に支障が出にくいと思います。

転職する際のポイント

それでは、残業ありきでない職場を探しましょう。
転職する際の手順や、仕事探しの時の注目ポイントをあげてみました。

自己分析をする

自分の本当にやりたいことや好きなこと、向いているのは何かをしっかり考えましょう。

転職コンサルティングを受けることもひとつの方法です。
客観的に自分を他人に見てもらうと、意外な方向性が見つかるかもしれません。

転職サイトに登録する

転職サイトに登録して仕事を探しましょう。
履歴や職務経歴、自分の希望を入力しておきます。

条件の合う会社からのオファーを受けられる場合があります。
オファーがあったり、自分の条件にマッチした会社が見つかった時は次の段階に進みます。

残業時間を見る

業種として残業が多くなりがちなのかどうかを調べましょう。
残業の少ない職種にターゲットをしぼって探すのもいい方法です。

比較的残業が少なめなのは事務アシスタント的な仕事です。

逆に多めの仕事になるとIT系や土木系のエンジニアがあげられます。
また、クリエイティブ系業務、営業職なども残業多めの傾向がみられます。

給料や待遇を見る

転職サイトに求人している企業の情報が記載されています。
以下の情報はできるだけチェックしておきましょう。

  • 基本的にもらえる給与や賞与が自分の希望にあっているのか
  • 残業代は働いた分全額でるのか
  • 年間休日は何日あるのか
  • 有休や育児休暇などの基本的な休暇が取得しやすい企業なのか
  • 福利厚生は充実しているのか

ただ掲載情報だけだと、会社の実態や実際の雰囲気はわからないものです。
そこで、キャリアアドバイザーのいる転職エージェントに登録するという手があります。

より多くの情報を入手できるのでおすすめです。

転職活動を始める

転職サイトに登録して、残業ありきでないホワイト企業への就職を目指しましょう。
また、紹介予定派遣制度を取り入れている派遣会社に登録する方法もあります。

6ヶ月後に直接雇用の正社員へのルートも。
これだと実際に働いてみて正社員になるかどうかを決めることもできます。

ホワイト企業かどうか、確実にわかった上での転職が可能になるでしょう。

残業ありきがおかしい際の確認事項

残業ありきがおかしいと感じたら以下のことを確認してみましょう。

会社に居続ける価値があるか

もしあなたの働いている会社が残業ありきなのであれば、どうしたらいいのでしょうか?

一度立ち止まって、よく考えてみましょう。
一緒に働く同僚、あなたの上司、経営者はあなたにとって重要な価値がありますか?

自分の将来を考える

今いる会社でやっている仕事が本当に自分のやりたいことか、考えたことはありますか?

自分の将来の目標を達成するには何をするべきなのか。
今の会社に居続けて、果たして達成できる未来は見えるのでしょうか。

法律に違反していないか

あなたのいる会社が残業ありきが当たり前だとすると、法律に違反している可能性が。
「36協定」をご存知ですか。

労働基準法に定められている8時間/日、40時間/週を超える場合に必要な協定です。
これが雇用者と労働者の代表との間に結ばれていないと残業、休日出勤ができません。

また、この協定が締結されていて、そこで決められた上限を超えると法律違反になります。
内容については、社内で従業員がいつでも閲覧可能なところに置くのが必須です。

これを確認しておく必要があります。

ホワイト企業の特徴

以下にホワイト企業の特徴についてあげます。

  • 繁忙期以外には定時で帰れる
  • 必要な人員を配置してくれる
  • 適材適所を考慮して人事をおこなう
  • 異動の希望を出しやすい
  • 無駄な会議やミーティングはしない
  • 有休などの休暇の申請がしやすい
  • 仕事量や能力に対しての評価やそれに見合った報酬がある
  • 残業や休日出勤を強制しない

残業ありきではない

週休2日制が守られているというのは基本です。
フレックス制、シフト勤務などの工夫をすることで残業を減らす努力をしています。

給料や待遇が良い

残業ありきでなくても、給与や賞与が日々の生活や貯蓄をするために充分あるはずです。
家族手当、住宅手当などの諸手当が充実しているでしょう。

1週間以上の連続休暇を取ることができ、有給はきちんと消化できる体制になっています。

残業ありきはおかしいまとめ

ここまで残業ありきはおかしいということで、その理由と対処法をお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。

  • 残業ありきでは労働者が疲弊して効率が下がり、さらに残業が増えるという悪循環
  • 残業ありきになる原因は経営者の経営方針に起因する
  • 残業ありきの対処法は作業効率アップや職場の雰囲気の改善が必要
  • ホワイト企業や残業の少ない業種への転職で、残業ありきの企業から脱出をする

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。