毎日残業2時間はおかしい?対処法を解説

皆さんは、自身の残業時間に疑問を持ったことはありませんか?

残業時間には法的なラインが設けられており、従業員の就労時間には制限があります。
そこで今回は、残業への向き合い方をご紹介します。

「残業って当たり前にするものなのかな?」「うちの残業時間、他所より長いのかも…」
そんなことを日々思いながら仕事をしている方こそ、ぜひ最後までご覧ください。

毎日の残業の平均時間

調査によると、2019年度の月平均残業時間は20日間の出勤で「約25時間」となっており、一日に換算すると「1時間15分」となります。

さらに、2020年度にはコロナの影響もあり、一日の平均残業時間は「1.03時間」まで減少しました。

つまり、「毎日2時間」という数値は明らかに異常値と言えるのです。

毎日残業2時間はおかしい?

繁忙期ともなれば、普段以上に時間を必要とする日々が続くのも致し方ありません。
しかし恒常的に残業をさせられているのだとしたら疑問を抱くべきです。

労働基準法の規定により、月の残業時間は最大でも「45時間まで」と明言されています。
つまり月によってはこの上限を超えて残業する可能性がある、それが「毎日2時間」という数字なのです。

時間が奪われる

仮に、日々の残業時間を2時間で完全固定し、月20日間の出勤を1年間続けたとします。
すると2時間×20日間×12ヵ月で合計は480時間となり、丸々20日分となります。

言い換えれば、年間で約3週間の休日出勤を行っていることと同じと言えるのです。

体力的・精神的にきつい

毎日2時間もの残業を繰り返していると、当然ですが極度のストレス状態に陥ります。
精神的な疲労はいずれ、目に見える形で肉体に現れます。

代表的なものとして、以下のものが挙げられます。

  • 脳卒中
  • 高血圧
  • 胃潰瘍
  • 心臓病

残業前提の仕事

残業が必須になっている職場もあります。
仕事がまるで終わらない量だったり、上司からまだ帰るなと言われたり、それがその職場の日常風景だったり…理由は様々です。

大前提として、残業とは必要に応じて行うものであり、問答無用で毎日2時間も3時間もやらされる様なことでは無いのだ、ということをしっかり自覚しておきましょう。

毎日残業2時間になる原因

端的に言って「ブラック企業だから」というのが一番でしょう。
業績ばかり重視し、従業員の事を考えない様な職場では、残業時間もさることながら残業代が支払われないケースもあります。

そしてそれが「普通」であり先輩方も同様に働いているとなれば、その決まりに従わざるを得なくなってしまいます。
「自分が仕事できないから毎日2時間も残らないといけないんだ…」なんて考え込む必要は全くないのだと気付けるようにしましょう。

仕事量が多い

会社側が従業員にキャパを超えた仕事量を振っていれば、当然就業時間内に終わらせることなど不可能です。

つまり「従業員が毎日残業しないといけない」=「上司が2時間以上残らないと終わらない仕事をさせている」ということで、完全に会社側に問題があります。

そこまで負担を強いられている訳でも無いのに毎日残業しているのだとしても、社員の力量に見合った仕事を与えられていないのですから、それも上司の失態だと言えます。

残業が当たり前の雰囲気

就業時間が過ぎ、もう本来なら帰宅してもいい時間になっても誰も帰ろうとしない。
先輩方が毎日2時間以上も残業していることを理由に上司から残っていくよう言われたら、もうどうしようもありません。

こうした環境に慣れてしまうと、「定時」「業務終了」という概念が消えうせ、帰れる時間が終業の時間だという思考に染まっていきます。

残業する人が評価される

会社によっては、毎日2時間以上残ると褒められることがあります。

かつてこの国には、高度経済期という凄まじい時代がありました。
そうした時代を生きてきた人達からすれば、残業はまさしく素晴らしいことなのです。

ですが時代は変わり、プライベートを犠牲にしてまで会社に奉仕する考え方は完全に過去のものとなりました。

人員不足

とあるアンケートサイトが行った調査によると、実に三人に一人が人員不足で残業せざるを得ないのだと回答しています。

しかし多くの会社は、基本的に人手を増やすなどという考えを持ちません。
今いる従業員だけで何とかさせようとするために2時間、3時間といった、毎日の長い残業が発生してしまうのです。

もしあなたが人を増やしたがらない職場にいるのなら、早々に次の職場を探したほうが良いかもしれません。

効率の悪い業務

  • 情報共有が出来ていない
  • 協力体制が整っていない
  • マニュアル化されていない

業務そのものが非効率的であるために、たとえ毎日2時間以上残業し続けたとしても、思ったほどの成果が上がらないということがあります。

自力で改善可能ならば良いのですが、そうでない場合は上司に掛け合う必要が出てきます。
その際決して文句や愚痴を言うことなく、業務効率化が会社にも自分達にもプラスになることを懸命にアピールするようにしましょう。

毎日残業2時間の対処法

ここからは実際に就労環境を改善する方法を考えていきたいと思います。
「もうこれ以上残業したくない」「毎日毎日2時間以上も会社に残りたくない!」

そういった悩みを抱えている方は息苦しい職場で上手く立ち回る術を考えていきましょう。

タスクリストを作る

まず最初に考えるべきは、自分で出来る範囲の効率化を行うというものです。

自分自身がやるべき仕事と、知らぬ間にやらされていた自分以外の人間がやるべき仕事。
急いでやるべき仕事と、後に回しても良い仕事などを区別していきましょう。

毎日2時間の残業を「隔日」ないし「1時間」に減らしていくことを、当面の目標として行動すると良いでしょう。

効率的に仕事をする

残業が恒常化してしまうと、「どうせまた2時間くらい残されるんだし、そこで終わらせればいいや」といった思考になってしまいがちです。

こうして自ら仕事の能率を下げている限り、残業から解放される日は決して訪れません。
かといって毎日休憩も取らずに必死で業務に打ち込んでも、集中力の持続には限界があるため生産性が上がるとは言い切れません。

まずは集中しやすい仕事場で作業を行えるようにしてみましょう。

1人で抱え込まない

どうにも作業が抱えきれないのであれば、先輩や同僚に引き受けてもらった方が良いです。
毎日毎日、2時間も3時間も残業させられているんですと、泣きついてしまいましょう。

あなたが倒れてしまえば、周りに迷惑を掛けることになってしまいます。
助けを求めることが重要です。

残業をしない

これは本来の就労時間内に業務を終わらせることを意識するといった考え方です。
しかし、あまり現実的とは言えないでしょう。

努力と工夫次第でどうにかなるのであれば、毎日の様に2時間以上も残業させられることは考えにくいからです。

取り合えず、自身が所属する「業界」というものを調べてみましょう。
もし業界平均を上回る長さで残業しているのであれば、何かしら業務効率を上げる改善策を見つけていきましょう。

上司や人事に相談する

人手不足や納期の問題は自分たちでどうにか出来る話ではありません。
こうした問題に関しては素直に上司に相談した方が賢明です。

「本当に現在の方法がベストなのか」「より効率良く作業する方法がないのか」
こういった疑問とそれに対する自分なりの改善案をセットで提案するようにしましょう。

毎日の残業を2時間以上も強いる上司に嫌気がさしたら、転職も考えるべきでしょう。

転職する

ブラック企業の多くは自分たちに問題があるとは考えておらず、あくまで従業員一人一人の努力量の差によるものだと思い込んでいます。

だから平気で毎日2時間もの残業を強いられるのです。
働ける場所は一つではないのですから、今の会社に固執することはありません。

明らかに違和感のある職場とは縁を切り、健全な会社に移りましょう。

転職する際のポイント

毎日2時間という馬鹿げた残業ありきの職場から解放され、たまには定時で帰れる様な仕事がしたい。

ですが正直に「残業はしたくないです」と答えればどうなるかはお分かりでしょう。
「残業によってスキルアップの機会が失われていた」などの言い回しをすることで、むしろやる気がありますという自己アピールが出来る様にしましょう。

残業の条件を考える

前提として、残業に意義を見出せるようになる必要があります。
自身の望む業種・業界であれば、多忙でも「毎日残っても構わない。2時間でも3時間でも、やれるだけやってみたい!」と受け入れやすいでしょう。

人に命じられて残業するのと、職場の雰囲気で残業するのと、自分の意志で残業するのはまるで別物だからです。

転職を希望する際には、まず自分が残業を苦にしない条件を考えてから、転職先を選ぶことをお勧めします。

残業以外の条件も考える

転職は学生の新規就職とは違い、社会人としての「再就職」です。
毎日2時間の残業から抜け出せるか、といった点の他にも考えるべきは当然存在します。

  • 経験を活かせるか
  • 資格を活かせるか
  • 収入は納得出来るラインか
  • 転職者への実習期間はどれくらいか

残業時間はあくまでも一つの要素に過ぎないので、そればかり見ていると思わぬところで躓いてしまいます。
転勤の可能性なども含め、色々な角度から求人条件を見られる様にしましょう。

転職サイトに登録する

転職をするなら、やはり転職サイトは活用するべきでしょう。
転職に必要な準備やノウハウなどが一通り掲載されているので、転職者の心強い味方となってくれます。

転職を迷っている方も登録だけはしておいた方が絶対に良いです。
たとえ毎日2時間残業しながらでも転職希望先を探すだけなら可能です。

今の会社を辞めるべきかどうか、メールなどで相談しながら求人を探すことで、より納得のいく答えを導き出すことができるでしょう。

毎日残業2時間のリスク

「定時で帰るのはおかしい」「2時間くらいあっという間」

そんな考えで毎日残業させられていれば、いずれは精神に異常をきたしてしまう可能性があります。
何より大切なのは自分の健康だということを前提から外してはいけません。

既に触れた内容ですが、体力的限界が来れば睡眠不足や精神不安などを原因とする、鬱や心臓病などを発症する恐れがあります。
過剰な残業は純粋な健康リスクである事実を忘れないようにしましょう。

違法の可能性がある

36協定(サブロク協定)という規定により年ベースでは360時間を上限とすることが企業に義務付けられています。
つまり、月平均は30時間以内に収めないといけないということです。

毎日2時間ずつ残業した場合一週間で10時間、月に40時間となり、この基準をオーバーします。
月40時間以上の残業が続く場合、基準値に収まるかどうか確認した方が良いでしょう。

残業代ありきの生活

企業によっては賃金が同業他社よりも低く、長時間労働が当たり前となっています。

すると従業員は効率的に仕事をする意欲も理由も失います。
その結果企業の生産効率が落ちてしまいます。

つまり毎日2時間近く残業して稼ぐことに慣れてしまうと、出世した際に生計を立てられなくなるリスクがあるのです。

仕事だけの人生

毎日の残業で気力も時間も会社に奪われていけば、引き換えにするものだって出てきます。

  • 趣味の時間
  • 仕事への熱意
  • 将来への希望
  • 友人と過ごす時間
  • 家族と過ごす時間

仕事が楽しければまだ良いのかもしれません。
ですがここで話している「毎日毎日残業続き」の人達が仕事を楽しめているかと言えば、まずそんなことは無いでしょう。

たとえ日に2時間であっても、気付けば取り返しの付かないモノを失っているかもしれません。

毎日残業2時間の残業代計算方法

基本的な計算式は「時給×1.25×残業時間」であり、時給は「月給÷所定労働時間÷所定労働日数」で求めます。

仮に、月給24万で所定労働時間8時間、所定労働日数20日の人が毎日2時間の残業を20日間続けたとして計算してみます。

「24万÷8÷20=1500」より「1500×1.25×2×20=7万5000」となり、残業代は7万5000円支払われることになります。

毎日残業2時間まとめ

最後に、毎日の2時間以上に渡る長々とした残業の問題点をおさらいします。

  • 生き甲斐を見失う
  • ストレスで体を壊す
  • 仕事への意欲がそがれる
  • プライベートが取れなくなる
  • キャリアアップの妨げになる

効率化を求め、スムーズに仕事が出来る様に変化させていきましょう。
もしくは別な企業に転職してしまいましょう。

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。