残業40時間はきつい?対処法を解説

業務がたまっていると残業しなければならない場合があるのではないでしょうか。
しかしながら、月に40時間ほど残業するときついと感じる人もいるでしょう。

そこで本記事では残業40時間のきつさについてご紹介します。

この機会に残業40時間がきつい理由や対処法について知っておきましょう。
会社を辞める際のポイントや知るべきことについても触れているので、ぜひ最後までご覧下さい。

残業が多い職種・少ない職種

残業が40時間ほどになるときついと感じる人が多いのではないでしょうか。
残業40時間している方は残業の多い職種に就いている可能性があります。

残業が多い職種と少ない職種について解説していきます。

多い職種

まずは、残業が40時間を超えてきついと感じる可能性のある職種をご紹介します。
残業の多い職種の特徴は「サービス業」「人材不足の職種」「ノルマのある職種」などです。

サービス業はお客様からの急な要望や依頼が多く、予定していた業務が後回しになることがあります。
また、人が不足している職種やノルマが設定さえている営業職などは1人がこなす業務量が多くなりがちです。

飲食業界や施工管理、BtoCの営業などがこれに当てはまります。

少ない職種

残業の少ない職種の特徴には「BtoB営業」「シフト制」「サービス業ではない」といった特徴があります。

BtoB営業では、すでに取引先が決まっていて新規開拓の必要はありません。
また、シフト制や交代制を取り入れている職種では時間が来たら業務終了です。

また、サービス業ではない職種では顧客の都合に合わせなくても良いので、残業が少なくなる傾向があります。
法人営業、事務職、工場勤務などの職種がこれに当てはまります。

残業40時間の人の1日の流れ

残業が月40時間だと、1日あたり2時間ほどの残業になります。
残業月40時間の人はどのような生活を送っているのでしょうか。

1日の流れがどのようなものか説明します。
前提として睡眠時間は8時間、通勤時間は片道1時間、就業時間は9時〜18時とします。

朝は7時に起床し8時に家を出発、9時に業務を開始します。
お昼に1時間の休憩を入れて18時の定時まで働きます。
そこから2時間の残業をするので、仕事の終了は20時で帰宅は21時です。
22時までの1時間で食事や入浴を済ませ、1時間の自由時間を経て23時に就寝、というスケジュールです。

正直、このスケジュールは肉体的にも精神的にもかなりきついと思います。

残業40時間がきつい理由

では、なぜ残業時間40時間はきついのでしょうか。
その理由を解説します。

残業時間を増やすことで残業代は稼ぐことができます。
しかし、デメリットも多数あることを理解しましょう。

夜遅くまで仕事する

月の残業時間が40時間を超えるペースで残業していると、毎日夜遅くまで働くことになりきついと感じます。

夜遅くまで残業することで、家でのリラックスの時間が減り肉体的にも精神的にも負担がかかります。

21時に帰宅したとして、食事入浴を1時間で終わらせてもリラックスに費やせる時間は多くありません。

自炊や家事などをこなす場合、さらに自分の時間が確保できません。
夜遅くまで仕事をすることでプライベートの時間が減り、きついと感じます。

休日が少ない

月40時間を超えるような残業が必要な会社は業務量が多いということです。
そのため、休日出勤をしなくてはならない場合もありきついと感じる原因になります。

本来であれば、平日の心身の疲れを回復するための休日です。
しかし、休日が少ないことで心身共に疲労が回復しません。

平日の疲れから、休日を寝て過ごしてしまったり趣味に時間を使えなかったりと、充実した生活を送れない原因にもなります。
心身の回復に必要な休日が少ないことで、きついと感じるのです。

自由に使える時間が減る

月の残業時間が40時間を超えるペースの残業をしていると、日々の中で自由に使える時間が減り、きついと感じます。

帰宅後の自由時間は非常に大切な時間です。
趣味にあててリフレッシュしたり、家事や自己研磨に努めることで人生の充実度を高められるのです。

自由に使える時間が減ることで人生に意味を見いだせなくなり、きついと感じます。

睡眠が取れない

月の残業時間が40時間を超えている場合は、満足できる睡眠時間が取りにくく、きついと感じる理由になります。

夜遅くに帰宅することで自由時間が取れないため、睡眠を削ってでも趣味にあてる人は少なくありません。

しかし、睡眠時間を削ることで体力的な疲労がとれにくく、次の日の日中にきついと感じます。
体力的な余裕を得るためには睡眠が必要ですが、睡眠が取れないためにきついと感じてしまうのです。

用のない居残り残業

忙しくて残業するのもきついですが、特に用もない残業で月40時間を超えるのも同じくらい苦痛でしょう。
自分の業務はすでに終わっているが、上司が忙しく打ち合わせや承認を後回しにされるケースがあります。

帰れる状況なのに、上司の権力で不当に拘束されるといった理不尽な対応によって心身ともにきついと感じてしまうのです。

身体的負担

残業時間が40時間を超えている場合、身体的負担が大きくなり、きついと感じてしまいます。

残業時間が長くなると、帰宅時間が遅くなってしまい睡眠時間が削られ、身体的負担がかかります。
その疲労を回復する時間も奪われていきます。

残業で疲れる→帰宅が遅くなり睡眠時間が削られる→回復しないまま仕事に行く→昨日よりも疲労がたまる、といった負のスパイラルになってしまうのです。

長時間労働の身体的負担は、きついと感じる大きな原因です。

精神的負担

身体的な負担と共に精神的負担が大きいことも40時間を超える残業がきついと感じる理由です。

多くの人は、プライベートな時間に好きなことをすることで精神的なリラックスをしています。
しかし、残業時間が長くなると趣味にあてられる時間が減り、精神的な安らぎを得られなくなります。

リフレッシュする時間が取れず、精神的負担が大きくなることもきついと感じる理由です。

パワハラ

残業が40時間を超えるような会社では、パワハラが横行している場合もあり、それが原因できついと感じてしまう場合もあります。

残業しないといけない雰囲気ができている、ノルマを達成しないと上司に怒鳴られるなどのパワハラで精神的な苦痛を与えられることがあります。

残業代を支払わないブラック企業

40時間を超える残業はきついですが、残業代で多く稼げるという救いがあります。
しかし、世の中にはある一定の残業時間までしか残業代を出さなかったり、そもそも残業代を出さないといったブラック企業もあります。

残業代を支払わないのは法律違反です。
残業した分しっかり請求するか労働基準監督署に相談しましょう。

残業が40時間になる理由

40時間を超える残業はきついですが、そもそもなぜ残業が40時間になってしまうのでしょうか。
残業が40時間になる理由を解説します。

労働力不足

業務量に対して人数が少なく、一人一人が長時間働かないといけない場合、労働力不足が原因です。
会社は労働力不足を解消するために、採用活動をするか離職率を減らす必要があります。

労働力不足は労働者の責任ではないので、改善されないようなら転職しても良いでしょう。
業務量に対して労働力が不足している場合、残業時間が40時間を超えてしまう原因になります。

残業前提の企業

残業前提で仕事をしている人がいたり仕事を振ってくる上司がいる場合、40時間を超える残業に繋がりやすいです。

なぜなら、そのような会社に勤めている人は残業を美徳としている古い価値観を持っているからです。

昔は正しかったのかもしれませんが、今は違います。
残業することに何も感じていない雰囲気の会社は転職することをおすすめします。

残業して当たり前、残業前提で仕事している企業では40時間を越えるような長時間残業になる原因です。

残業月40時間が違法な場合

月40時間の残業はきついですが、きちんと届出をしていれば違法ではありません。

しかし、以下で紹介する事柄に当てはまる場合、違法になります。
自分の残業が違法ではないか確かめてみましょう。

残業代が払われていない

自分がした残業分の残業代が支払われていない場合、違法な残業です。
40時間を越える残業はきついですが、入ってくる残業代をモチベーションにしている人もいるでしょう。

もし、あなたの会社が残業代をきちんと支払わない会社であるなら、労働基準監督署に相談するなどの対応をすることをおすすめします。

労働基準法の36協定に違反している

残業を認める法令に、36協定というものがあり月45時間までの残業が認められています。
しかし、3ヶ月では120時間、1年間で360時間と定められており毎月のように40時間以上の残業をしている場合は違法になります。

この時間を越える場合には特別条項をつける必要があります。
長時間残業が続く場合は、この特別条項がついているのか会社に確認しておくと安心です。

残業40時間がきつい時の対処法

ここからは残業が月に40時間ほどあり、きついと感じている場合の対処法を説明します。
残業時間の長さに悩んでいる方はぜひとも参考にしてみてください。

効率的に仕事をする

月に40時間を超える残業をきついと感じている場合、業務を効率化できれば残業時間が減る可能性があります。

仕事を効率化できれば、同じ作業をより短い時間でできるようになります。
毎日の業務の中で、今日やらなくて良い作業や、より時間を短縮できる作業がないかを考え直してみましょう。

業務の効率化によって残業時間の短縮をすることができます。

残業代を請求する

月に40時間を超えるきつい残業をしているのに残業代が支払われていない場合は、会社に請求することをおすすめします。

残業した社員に対して残業代を払うのは会社の義務であり、法律で定められています。
残業代が支払われていない場合は、堂々と請求しましょう。

転職を検討する

月に40時間を超えるペースの残業をきついと感じているのなら、転職を検討するのも一つの方法でしょう。

残業が減らない原因が会社にあるのなら、改善はなかなか難しいでしょう。
転職したら残業時間が大幅に減ったという人もたくさんいます。

働く環境を変えることが残業時間の短縮につながる可能性は大いにあります。

上司に相談する

上司に正直に話して、仕事の数や残業を減らしてもらうことは月40時間の残業の対処法の一つです。

今以上に生産性を上げるのが難しく、自分ではどうしようもならない場合、残業がますます難しくなっていることを上司にはっきりと伝えましょう。

さらに、残業のために私生活や健康が損なわれている場合、上司にその旨を伝えると対応してくれる確率が高まります。

弁護士に相談する

40時間を超える残業時間にきついと感じていて、残業代が支払われていなかったり違法性のある残業をしている場合は弁護士に相談しましょう。

支払われるべき残業代の調査や計算、会社との交渉や裁判手続きを代行してくれます。
そのため、自らの時間を費やすことなく進めてくれます。

労働基準監督署に相談

月に40時間を超えるきつい残業が当たり前になっている会社は、労働基準法の36協定に違反している可能性があります。
そのような場合は、労働基準監督署に相談しましょう。

そもそも、会社が36協定を締結しているかどうかは、就業規則や契約書で確認できます。
一度目を通しておくことをおすすめします。

ストレス発散する

残業時間が月40時間を超えていてきついと感じているなら、趣味や好きなことでのストレス発散が効果的です。

ストレスを溜め込んでしまうと、心身の健康に悪影響を及ぼします。
しかし、あまりにも忙しくて趣味などにあてる時間がないという場合は、先ほど述べたように上司や労働基準監督署に相談しましょう。

心身の健康が何よりも重要です。

残業40時間の会社を辞める際のポイント

月40時間のきつい残業がある会社は、思い切って退職するという決断をすることも重要です。
そこで、ここからは会社を辞める際のポイントを解説していきます。

ポイントを抑えることでスムーズで円満な退職につながりますので、理解しておきましょう。

前もって退職の意思を伝える

月40時間を超えるきつい残業のある職場からの退職を決意し、退職を申し出る場合は上司に事前に通知するのがベストです。

退職を申し出る直前に伝えると、後任とスムーズな引継ぎができない可能性があります。
また、上司より先に他の従業員に知られた場合、問題が生じる可能性があります。

したがって、退職予定日の1ヶ月前までには上司に対して退職することを伝えるのが良いでしょう。

あらかじめ転職活動を始める

会社を辞めることを決意したら、あらかじめ転職活動を始めることをおすすめします。
転職先が決まった状態で辞めることができれば、空白期間ができず安心につながります。

とはいえ、月40時間を超える残業時間では、転職活動と両立するのはきついのではないでしょうか。
有給などの休暇を利用して転職活動をするようにしましょう。

転職先の給料や待遇の条件を決める

転職活動の軸を設定するのに必要ですので、転職先に求める給料や待遇などの条件をあらかじめ決めておきましょう。

「給料は低くなっても良いから、月40時間のようなきつい残業はしたくない」や「月の残業時間を半分にしても今と同じくらいの額が欲しい」など具体的に考えておくことが大切です。

残業40時間がきつい人が知るべきこと

退職時や未払いの残業代を請求する際に、知っていると得をすることがいくつかあります。
退職時や残業代請求に関する知識をつけて、損のないようにしましょう。

会社都合退職の失業給付

月40時間を超えるきつい長時間残業やハラスメントが原因で退職する場合には、会社都合退職に当てはまる可能性があります。

失業給付金は退職後にハローワークに行き、求職の登録をすることでもらうことができます。

手当の額は、年齢や給与によって変わりますが「賃金日額(退職前6カ月の賃金合計÷180) × 給付率(50〜80%)」と定められています。

傷病手当金

月40時間を超えるきつい残業が原因で心や体の健康が損なわれてしまい、休職することを余儀なくされた場合、傷病手当金をもらうことができます。

傷病手当金の1日の支給額は「支給開始日以前の継続した12ヶ月間の各月の標準月額の平均額÷30日×3分の2」となります。

傷病手当金は、申請書を提出し認められた場合に支給されます。

残業代の計算方法

残業が40時間以上あるきつい環境の会社では残業代が正しく支払われていないかもしれません。
正しい計算方法を知って損をすることがないようにしましょう。

残業代の計算方法は「基礎賃金÷所定労働時間×割増率×残業時間数」の公式で出すことができます。

基礎賃金とは、給与から通勤手当や賞与などの手当金を引いた給与のことです。
また、所定労働時間とは会社が定めた労働時間を指します。

割増率は「法定時間外残業は1.25倍・法定休日残業 は1.35倍・深夜残業は0.25倍」というように定められています。
全ての数字が出たら、上記の公式に当てはめて計算しましょう。

残業代の請求方法

40時間を超えるきつい残業をしているのに、残業代が支払われていない場合は正式な手順をもって会社に請求することができます。

具体的には、まず「残業代を請求する旨の通知書」を内容証明郵便で送付します。
次に会社から送られてきた資料をもとに残業代の計算をしましょう。

金額が出たら、その金額を支払うように会社と交渉します。
話し合いでの解決が難しい場合は、労働審判や訴訟などの手段で交渉する流れになります。

残業40時間はきついまとめ

ここまで残業時間がきつい理由や対処法、退職する際のポイントを中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。

  • 残業が月40時間を越えると肉体的、精神的にきついと感じる
  • 月40時間を超える残業は会社のせいであることが多い
  • 残業代が支払われていない場合や36協定に反している場合は違法
  • 労働基準監督署や弁護士に相談すると良い
  • 残業代の請求方法や計算方法、退職後の手当などを知っておくと安心

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。