残業50時間はきつい?対処法を解説

一か月に残業を50時間もしていたらきついと感じるのは仕方ありません。
残業が50時間できついと感じる時に知っておくべきことや対処法はご存じでしょうか。

この記事では残業が多い人の問題と対策を紹介いたします。
仕事を辞めることにした場合の注意点なども解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。

残業が多い職種・少ない職種

残業が多い職種と、少ない職種というのがあります。
50時間もの残業をしてきつい思いをしたくないのであれば、はじめから残業の少ない仕事を探すのがよいでしょう。

そこで、ここでは残業の多い職種と少ない職種を紹介いたします。

多い職種

【施工管理】

建築業界は慢性的な人手不足に悩まされています。
近年施工管理業者の仕事が増えていることも残業を増加させています。

【外食産業】

他社との競争によりサービスの強化が進んでいます。
24時間営業などの店舗によりきつい仕事が増えているようです。

【IT業界】

納期が迫ったときや急な修正の依頼など、一時的にすごく忙しくなることがあります。
会社で寝泊まりをするような時期もあり、短期間で50時間の残業に達することもあるでしょう。

少ない職種

【事務】

全体的に見て、事務の仕事というのは残業が少なくなっています。
医療・営業・一般・金融などさまざまな事務の種類がありますが、どれもほかの職種と比べると安定して少なめです。

【販売】

カスタマーサポートであれ売り場の担当であれ、販売の仕事も残業が少なめになっています。
このあたりの仕事であれば50時間も残業することが比較的少なくなり、きつい思いをせずにすみそうです。

残業50時間の人の1日の流れ

残業を50時間するようなきつい生活をしていると、その人の一日はどのような流れになるのでしょうか?

一か月で50時間の残業があるということは、出勤日数を22日とした場合、毎日平均で2時間ちょっとの残業をしていることになります。

睡眠・食事・通勤・業務・入浴・残業などの時間を足すと、23時間を超える場合があります。
自由に使える時間が、1時間もないという生活になるかもしれません。

残業50時間がきつい理由

残業50時間の生活はどのようにきついのでしょうか?
具体的に生活がどう変わりどこにどういう影響が出てくるのかについて解説します。

夜遅くまで仕事する

ひと月の残業時間が50時間に達するとき、必ずしも毎日2時間ずつ残業をするとは限りません。
普段は残業がないが、ある日突然長時間のきつい残業になる場合もあります。

そうなると当然、夜遅くまで仕事をすることになります。
会社で寝泊まりをして、そのまま翌日の出勤時刻を迎えるような場合も出てきます。

休日が少ない

残業が50時間もあるということは、仕事が多すぎて終わらないきつい状況ということです。
休日を返上して仕事をしなければならなくなることもあるでしょう。

休日が減ることはあっても増えることはなさそうです。

自由に使える時間が減る

残業だけで50時間の自由時間が減ります。
そのうえ仕事の疲れも増えますので、どこかに出かけるとか遊びに行くといった体力が残されていないかもしれません。

きつい仕事を続けていると、実際の勤務時間以上に自由な活動をする時間は減っていきます。

睡眠が取れない

睡眠時間を削って残業をすることもあるでしょう。
不安やストレスなどで不眠症になる場合もあります。

きつい残業を50時間もしていると、睡眠がとりにくくなっていきます。
そしてしっかりと睡眠をとらずにいると、仕事の能率は下がり事故につながったりもします。

用のない居残り残業

残業が50時間あるとき、すべてが必要な労働とは限りません。
ほかの人が残業をしているからという理由で、自分も残らなければいけないのかなと思ってしまう場合もあります。

自分の仕事は片付いているのに、ほかの人に気を使って用もなく居残り残業をするのはきついものがあります。

身体的負担

残業を50時間もすることは、健康にも悪影響があります。
労働基準法が労働時間に制限を設けているのも、人々の健康を守るためです。

法律が制限したり禁止したりしている時間の残業をすることは、脳や心臓にきつい負担をかけ、最悪の場合過労死に至ります。

精神的負担

50時間の残業は肉体面だけではなく、精神面でも負担をかけます。
気持ちの浮き沈みが激しくなったり、食欲がなくなったり、眠れなくなったり、何かに対する意欲・集中力がなくなったりしてきた場合、うつ病の恐れがあります。

きつい仕事を続けていくうちに、自殺に至るケースも見られますので注意してください。

パワハラ

パワーハラスメントというものは様々な形態をとるものですが、一つ言えることは、「パワハラを行う人の機嫌が悪い時は発生率が高まる」ものです。

50時間も残業をして疲れているときなどは、人々の機嫌は悪くなるのがふつうです。
ということは、きつい仕事で疲れているときには、さらにパワハラを受けて余計に疲れさせられることも増えることになります。

残業代を支払わないブラック企業

きつい残業を50時間もさせられて、それでも残業代が支払われればメリットもあります。
しかしながら残業代すら払わないという会社もあり、ブラック企業と呼ばれています。

ブラック企業では働かないことが、自分と社会のためです。
自分自身にとってはもちろん、ブラック企業が儲かればブラック企業が増えてしまいますので、社会のためにもそういう会社で働いてはいけません。

残業が 50時間になる理由

残業が50時間にもなる理由は何でしょうか。
どういう理由で残業が多くなるのかが分かれば、どういう会社を避ければいいかもわかります。

そこで、きつい仕事についてしまわないために残業が多くなる理由について解説します。

労働力不足

残業が多くなる理由として、人手不足というのがあります。
仕事の量が多くて時間内に終わらず、かといって人を増やすことが難しいとなれば一人当たりの仕事量を増やすことになります。

50時間も残業をしていたら、仕事がきついからやめたくもなります。
人が辞めれば余計に人手不足になります。

残業前提の企業

日本の文化的な背景として、「残業はあるもの」「たくさん働くのが当然」という意識があります。こういった意識はだんだんと薄れてきているものの、まだまだ過去にとらわれている会社もたくさんあります。

こういった会社だと50時間程度の残業ではきついという感覚を持たないものです。

残業月50時間が違法な場合

一か月に残業を50時間している場合、違法状態になっている可能性があります。
違法にきつい仕事をさせられているかもしれませんので、どういった場合に違法とされるのかについて知っておいたほうがよいでしょう。

残業代が払われていない

会社は残業代を払わなければならないという法律があります。
そのため、きつい残業を50時間も行っていて、残業代が支払われていないとすれば、違法状態にあるかもしれません。

みなし労働時間によってあらかじめ数十時間分の残業代が給料に含まれているケースもあります。
しかし、ふつうは50時間分の残業を事前にみなしていることはありません。

その場合、みなし労働時間を超えている分は通常通り残業代を請求できます。

労働基準法の36協定に違反している

従業員に対してさせていい労働時間というのは法律でだいたい決まっています。
一か月に許されているのは基本的に45時間までです。

そのため、一か月に残業が50時間もあった場合、その時点ですでに違法の可能性があります。
ただし、労働基準法の第三十六条では「労働組合との間で協定を結び、行政官庁に届け出をした場合は延長できる」とされています。

ですから、残業がきつい場合は36協定が結ばれているのか確認してみましょう。

残業50時間がきつい時の対処法

残業を50時間もしていて、そろそろきついとなったときには、体を壊す前に何とかしなければなりません。

そこで、残業がきつい時の対処法を解説します。
手遅れになる前に改善してください。

効率的に仕事をする

残業が50時間もあるということは、仕事が時間内に終わっていないということです。
ならば効率的に仕事を行い、時間内で仕事が終わるようになれば、きつい残業からも解放されます。

ただ、個人では対処しきれないこともありますので、組織的な改善が必要かもしれません。

残業代を請求する

もしも残業を50時間もしており、きつい思いをしていながら残業代が支払われていないような場合には、残業代を請求しましょう。

その分仕事はしているわけですから、法律的にも請求が可能ですし残業代を払いたくない会社であれば、その分の仕事を減らしてくれるかもしれません。

転職を検討する

50時間の残業が頻発し改善もされないとなれば、転職したほうが早いかもしれません。
転職すれば確実に改善されるという保証はありませんが、きつい現状が今後も間違いなく続くよりは、変わる可能性がある分だけましと言えるでしょう。

上司に相談する

残業が多くて50時間は多すぎてきついということを、上司に相談するのも一つの方法です。
うつ病など、病気の兆候がある場合には病院に行き診断書をもらうのも有効です。

会社は従業員の健康に配慮する義務を負っているため、それを無視して何かあった場合に責任問題になることを恐れているからです。

弁護士に相談する

50時間の残業と別れる方法として、弁護士に相談するというのもあります。
会社が36協定を順守しているのかどうかということのチェックや、残業代が正当に支払われているかどうかなど、専門家に間に入ってもらうことで、より素早く正確に調査してもらうことができます。

仕事が忙しくて自分で対応するのがきついという場合にも、ほかの人に任せられれば楽になるでしょう。

労働基準監督署に相談

50時間の残業が何か月も続いているような場合、その会社の労働状況は違法かもしれません。
いくら36協定があったとしても、毎月50時間の残業をさせられるわけではないからです。

もし会社が違法な状態にありそうなら、労働基準監督署に通報し、是正勧告をしてもらうことできつい残業が減るかもしれません。

ストレス発散する

長時間労働は精神に負担をかけます。
50時間の残業が続いていては、精神障害も発症しやすくなります。

休みも少なく自由時間も少ないきつい状況では難しいかもしれませんが、意識的にストレスを発散するようにしないと、余計に精神に負担をかけてしまいます。
できるだけストレスは発散しておきましょう。

残業50時間の会社を辞める際のポイント

残業50時間のきつい会社を「さすがにもうこれ以上はやっていられない」とやめることにした場合、いくつか注意するべきポイントがあります。
ここでは、そのあたりについて解説します。

前もって退職の意思を伝える

50時間もの残業に嫌気がさして退職する場合、突然「今日で辞めます」というのは望ましくありません。
仕事の引継ぎや、新しい人員の確保などにも時間がかかるものです。

会社の事情を無視して突然やめるとなると会社と揉めてしまうかもしれません。
法律上も退職できるのは申し出てから2週間後となっています。

きつい仕事をすぐにやめたい気持ちはわかります。
しかし、一か月くらい早めに退職の意思を上司に伝えましょう。

あらかじめ転職活動を始める

仕事を辞めてから転職活動を始めるよりも、仕事をつづけながら転職先を探すことをお勧めします。
50時間も残業をしながらだと転職活動もきついかもしれませんが、無収入の時期を作らないためには必要なことです。

収入がなくなると、そのことが不安になって転職を焦ることになりよくない会社に入ってしまっては本末転倒です。

転職先の給料や待遇の条件を決める

転職活動を行い、新しい勤務先が見つかりそうになったらしっかりと給料や待遇などの条件を確認しておきましょう。

新しい仕事先でも50時間のきつい残業があったら意味がありません。
残業が減るということは残業代も減るのがふつうですから、その時に給料がいくらくらいになるのかも知っておく必要があります。

残業50時間がきつい人が知るべきこと

残業が50時間に達している、きつい状態の人が知っておくべきことがいくつかあります。
転職先が見つかる前に退職した場合の失業給付や、病気やけがをした場合の傷病手当金、本来受け取るべき残業代の請求など。

そういった受け取れるはずのお金について解説します。

会社都合退職の失業給付

会社都合で退職した場合と、自己都合で退職した場合では、受け取れる失業給付に差があります。
基本的に、自己都合で退職した場合のほうが失業給付の受け取り開始が遅くなりますし、受け取れる期間も短くなります。

残業時間が多すぎることによる退職も会社都合とすることができる場合があります。
法律が認めていない量の残業をしていた場合などが該当しますので、何か月も続けて残業50時間のきつい仕事をしていた場合などは、会社都合とすることができます。

傷病手当金

50時間のきつい残業を続けていれば体を壊すこともあるでしょう。
仕事ができなくなり、労災も下りず、給料の支払いもされないような状態の場合、傷病手当金を受け取ることができるかもしれません。

残業代の計算方法

残業代を求める式はこうなってます。

基礎賃金÷所定労働時間✖割増率✖残業時間

つまり、給料を予定されている労働時間で割って時給を算出し、そこに残業手当を乗算したのち、残業時間を掛けることになります。

残業代の請求方法

未払いの残業代を請求することができます。
やり方としては、労働基準監督署に相談することもできますし、自分で直接会社と交渉することもできます。

それがきつい場合には、弁護士に頼むのもいいでしょう。

どの場合でも、タイムカードや勤怠記録、メールの送受信記録、就業規則や雇用契約書などの資料が必要になります。
実際に残業を50時間していたという証拠を集めておいてください。

ただし請求できる残業代の時効は3年となっていますので、基本的に3年以上経過した未払いの残業代は請求できません。

残業50時間はきついまとめ

この記事では残業50時間というきつい仕事の問題点や対策などを紹介してきました。
記事の内容をおさらいするとポイントはこのようになっております。

  • 残業が多すぎると心身ともに疲れてしまう
  • 残業は法律によって制限されており、労働基準監督署が監視している
  • 残業代を請求することは正当な権利である

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。